今日の朝日はとてもきれいで、
アトリエの二階は金色に染まっている。
犬の散歩の時間は日の出だったので、ぼやっとしたオレンジだった。
歩きながら昨日、見ていた色だなと一体感を味わう。
絵具の減り方は不思議で、集中してなくなる色がある。
昨日の場合はオレンジだった。
他の人の絵に影響を受ける事はほとんどないし、
それに別のクラスに変わっても同じ色調が増えていく。
彼らは共通して何かを感じ取っている。
それを自然の奥にある何者かだと考える。
昨日、寝る時に聴いていたピアソラの音楽が頭を離れない。
ピアソラはやっぱり夜だ。
少しづつ、改善して行こうと思うのだけど、
手始めに、小さな事だけど待合室の本棚の中を変えようと思う。
来週のクラス位には整っていると思うので、
待合室をご利用の方はご覧になってみて下さい。
これまでは主に思想というか哲学というか、
ここでの実践に関係する考え方に繋がる本を置いていた。
今後はもっとダウンズタウンの空間を具体的にイメージ出来るような、
ビジュアルのある本を置きたい。
良い空間、心地よくて、誰もが訪れたい場所をイメージしていただきたい。
ダウン症の人たちの調和的センスが人々を癒すというような。
人が安らぎ、再び訪れたいという場を考えていくと、
幅広く様々なジャンルが参考になる。
カフェやリゾート施設や建築や観光やレストラン、温泉など。
その場所が良い場所で、人が集まって、それぞれが生きる活力を得ていく、
ということでいうなら、これらに加え、神社、仏閣といった信仰の場や、
森や海という自然も含まれていくだろう。
エネルギー、循環、食も大切な要素だ。
それらが良いバランスで一つになればいい。
そんなことを少しイメージ出来る様な本を置いていくつもりだ。
アトリエの中ではピアノをもう一度置くことにした。
狭いので残念ながら電子ピアノだけど。
早速、みんながピアノを弾いている。
印象に残っているのはゆうすけ君の弾き語りとか、
昨日のあんなちゃんともえちゃんの連弾。
音楽として素晴らしい。不思議な魅力がある。
はるこさんやちえこちゃんは普通に弾けるのだけど、
音が柔らかくやさしい。
今回のタイトルになっている「ちえちゃんのピアノ」はやまと君の絵の題名だ。
やまと君とちえこちゃんは本当に仲良しで、
喧嘩したり、好きなことを言い合ったりしながら、
いつもお互いを気にかけている。
昨日もちえこちゃんがピアノを弾きだすと、
やまと君は「はーあ、またはじまったかあ」と興味なさそうにしている。
全く聴いていない様な素振りで黙々と絵を仕上げていく。
使われている色は三色だけ。やさしく色が重ねられている。
この三色だけでこんなにきれいに豊かに見える。
描きおわるとこちらを向いて、「出来たよ。ちえちゃんのピアノ」とつぶやいた。
2人は本当に分かり合っているのだなあ、と思う。