2015年4月29日水曜日

同時に動くもの

今度は暑いですね。

絵の具に使っている缶の交換時期に来たので注文。
絵具もちょっとアレンジした。

今日は久しぶりに柏木さんと打ち合わせ。

前回の土、日曜日の制作は素晴らしいと言うより凄まじかった。
作家達の限界を知らない無尽蔵の創造性。
場も作品も輝き続けた。
僕自身のスタッフとしての仕事も鬼気迫るものがあった。
もっと行くのか、と自分の気迫に驚いていた。
そんなことはこれまでに無い。

ある意味で動きも感度も以前より落ちたからこその在り方だ。
今出来るところまでやらなければ、と言う思いがあの気迫に繋がっているのだろう。

普段意識している訳ではないが、
無意識や身体が、今やっておかなければ、という気持ちを強く持っているのだろう。
現場における本能かも知れない。

出来るようになることが増えて行くのと同じ位に、
出来なくなって行くことも大切なことなのかも知れない。

あれが出来ないからこそ、これをしなければというところもあるし。

場はいつでも沢山のことを教えてくれたけれど、
面白さや味わいも本当に変わって行く。

進歩したり退化したりと言うよりは、
いつでもその時でしかない大切な何かがあるのだと思っている。

結局、今が一番良いなあ、と思う。

最近、数名の作家から違う場所で僕と会って話をした、
ということを聞いた。
こういうのは幻想だとは思わない。
確かに僕達はそういう深い繋がりにまで行かなければ、
本当の意味の対話にはならない。

沢山の場所に同時にいなければならないし、
沢山の時間を同時に生きなければならない。

そこに居なかったのだから会うはずが無いと言うような、
浅い部分しか見ないのであれば、
現実も対話も作品も薄っぺらなものにしかならないだろう。

僕達はもっと奥にあることを見ている。
そこで話している。そこで関わっている。そこで共有している。

いつも同じことを書くみたいだけど、このことは大切なことだ。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。