やっと暖かくなった。
春の匂いを身に受けているうち、今度はすぐに夏になるのだろう。
すべては夢の中だと感じるし、そしてそれなら良い夢を見ようと思う。
本当に鮮やかな光。やさしい暖かさ。
心地良い空気。世界全体が軽くなったみたい。
共働学舎の悦子さんがお手紙を下さった。
本当に嬉しい。会いたいなあ。
僕にとっては育ててもらったようなものだけど、
学舎の中ではほんの一時立ち寄ったにすぎない僕のことを、
覚えていてもらえることは、本当に本当にありがたい。
亡くなった、のぶちゃんとたくみさんの追悼集を頂いた。
これを見ながら、昨日の夜涙が溢れてきた。
悦子さんは忘れないで欲しいから、と書いて下さっていた。
僕がみんなのことを忘れることは一生無いだろう。
たくみさんの子供の頃の写真。
なんて、やさしい、素直な、かわいいい表情だろう。
その後に経験しなければならなくなる様々なことを思うと、
切なくて、悲しくて、どうしようもない気持ちになる。
2人とも、あの笑顔で見守っていてくれている。
あんなに色んなことがあったのに、何も変わっていない気もする。
空は青く、眩しい太陽が僕達を包んでいる。
ゆうたに会いたい。
今回は東京が長い。
みんなには少しでも良い場で良い時間を過ごしてもらいたい。
それがどれほど自分の宝になるかも知っている。
素晴らしいお仕事をされている方が身近に居ることが嬉しい。
勉強になる。
あんな仕事をしたいと思う。
海辺の国民休暇村で住み込みでアルバイトしていたことがある。
心臓に病気があっていつどうなるか分からない、という青年が居た。
僕よりは年上。
仲良くなった。色んなことを話した。
身体に爆弾を抱えているようなものと、自分の状況を説明した。
ずっと後の話だが、亡くなったそうだ。
休憩時間に彼が僕に「いつもジュース買わないね」と言った。
はっとした。
みんなが販売機で何気なくジュースを買うところを、
僕は別世界の景色のように無意識に見ていた。
あっそうか、買えるなあ、と気がついた。
それ以来、販売機で飲み物を普通に買えるようになった。
買えるということが僕にはそれまで無かったから。
ずっと食べていない時もあった。
いつもお腹を空かせていた。
母は水商売だったから、夜はいない。昼間は寝ている。
たまにパチンコ屋に行く時は僕がついて行く。
玉拾い。落ちているパチンコ玉を拾って集める。
時々、助けてくれる人が居て、玉をくれたりもする。
缶コーヒーの残りが捨ててあった。
喉が渇いていた僕はそれを飲んだ。
途端に咳き込んで息が苦しくなった。
そして病院。
僅かに珈琲を残した缶は灰皿に使われていて、吸い殻と灰が入っていた。
まだ幼かった。
その後の僕はそんな隙は見せないようになった。
良いのか悪いのかは分からないけれど。
見上げると青い空。眩しい太陽。
どこかを散歩してみたくなる。
ふわーっとして、ぱーっと明るくて、本当に良い天気。
良い仕事しましょう。
今週位から、また制作の流れも変わって来そう。
良く感じとって、その時に出来る最善を見つけて行きたい。