忙しいと色々ある。たいしたことではないが。
先日、これはブログに書かなければという、仕事上重要な気がすることを、
思いついたのだが、書く時間が無いまま忘れてしまった。
まあ、忘れるくらいだから、たいしたことではないのかも知れない。
昨日は哺乳瓶を煮沸消毒していて、お湯から出す時に手が滑って、
熱湯を顔にかぶってしまった。熱い。やけどはしなかったのでよかった。
少しエネルギーが足りないと、タイミングがズレだす。
タイミングって大事だ。
例えば、年に1、2回あるかないかだけど、教室中に絵の具をこぼす事がある。
日常的にはちょっとぼーっとしていた、という事になるが、
制作の場においてスタッフがぼーっとするなどありえない。
だから、全体的に何かバランスが悪い。タイミングがズレているとみる。
そういう時、どうするか。
流れに逆らわずに、ゆっくり呼吸を整えるしかない。
コンディションが良い時と悪い時で、仕事の質が変わるようでは、
本気で挑んでいるとは言えない。
高いレベルの仕事をする事が難しいのではなく、
高いレベルの仕事を絶えず保つことが難しい。
それが出来なければ仕事とはよべない。
ところで、タイミングと言えば、その人らしい絵が描ける様になるのにも、
その人と場のタイミングがある。
最初から上手くいくことが必ずしも良いとは限らない。
時には時間をかけることも必要。
最近、アトリエに通いだした、よう君は昨日のクラスで、
凄い作品を描いた。将来的にはゆうすけ君やしんじ君のような、
どっしりした作風の大物になるかもしれない。
最初の数回は色は赤しか使わなかった。
何度も赤だけで塗り込んでいく。それ自体なかなかの作品に仕上がっている。
一色しか使わなくても、沢山の色を目の前においておく。
本人は塗りながらも、筆圧や画面の構成や、絵の具の染み込ませ方を、
確認して描いている。その際、周りの色も良く見ている。
それは、描かない人でも同じ。
だから、本人が描くタイミングまでこちらはただ見守る。
描かない人も自分のタイミングで描き出す。
よう君の場合も急に色が重なりだす。
そこは動き出したら早い。
でも、本人のタイミングを無視して「他の色使ってみたら」と、
やってしまっていたら昨日のような作品はでて来なかったと思う。
自分のタイミングまで待つこと。
そこへ行くまで時間がかかれば、その分が後で活かされる。
実際に一色で塗っていた時の筆圧や、画面構成が充分に活きてそこに、
色彩が入ることで厚みが出た作品に仕上がっている。
彼らの場合、練習をしないのだから、こうやって学んでいるとも言える。
先週のクラスでは制作がまだ安定していない人に対して、
ゆりあが少し苦心していた。
プレでのイサもそうだけど、相手が迷いだした時に、
こちらもどうしようとなってしまったら、2人で出口を失う。
その瞬間こそ、ある程度相手との間合いを詰めて、注意力を注ぐ。
迷っても大丈夫、一緒に出口を見つけて、出て来ようねという、
強い姿勢が必要だ。
リラックスは大事だが、ダレることとは違う。
相手の注意力が逸れて、遊びの方に行ってしまうなと感じたら、
まず、こちらが絵に注意を注ぐ。その感触は相手に伝わる。
これもタイミングだ。
描くモードからズレていっているから、もう一度モードを変える。
僕から見ていると、態勢を整え直すことが難しいという部分より、
制作から逸れていっている、違う間合いに入って来ていることを、
早い段階で気づくことが出来るかだ。
ゆりあもイサも苦戦するとき、僕から見ていると、
もう少し早い段階から逸れて来ているのが分かる。
早い段階で修正出来れば、こちらの動きは最小限ですむ。
こちらの動きは小さければ小さいほど良い。
タイミング。描くのも休むのも、お話しするのも。
タイミングが外れていては違うものになってしまう。
一回に描く絵の枚数にしても、描く時間にしても、大事なのはタイミング。
何枚描いたと言うことではなく、どういう密度で時間が過ごせたかだ。
一枚で充分な日に、もっと描こうよとやってしまっては、次に繋がらない。
流れと本人の状態を見極めて、良いタイミングで終わること。
良い記憶と感触を残すことが大切。
一枚の絵が仕上がって、紙を変える時も間を置く方がいいのか、
流れを止めずにすぐに置くべきなのか。そのタイミングが命だ。
たくさん描く人。少ししか描かない人。
時間をかける人。すぐに終わる人。
大事なのはその人にとっての充実感と、タイミングだ。
短い時間で純度の高い制作に入る人もいる。
時間や枚数は問題ではない。質が重要なのだ。