2011年12月4日日曜日

自分に投資する

セキユリヲさんから、お祝いのお葉書をいただいた。
素敵な写真でウサギが並んでいる。
本当に可愛くきれい。さすがセキさん、文字もすてき。
絵のようでも、デザインのようでもある。
嬉しいです。ありがとうございました。
無事、出産してから、お仕事の関係の方々からお祝いのお言葉をいただいている。
電話やファックス、お手紙、メール、様々なかたちで、ご連絡頂きながら、
お返事が出来ていない方々がいます。
本当にごめんなさい。そして、あたたかいお言葉を、ありがとうございます。

2日前に悠太のへその緒がとれた。
今日はどんな変化があるだろうか。

早いものでもう12月だ。一年はあっと言う間。
イサはいよいよ入試。ゆりあも卒論、卒制に向けて奮闘している。
2人とも、一生懸命だ。
悔いが無いように全力を出して欲しい。きっと次に繋がる。
思い切り前を向いて、全力で前進。それだけだね。
力を配分する人は、どこにも行けない。
力の出し惜しみをする人は、どれだけ経っても実力は身に付かない。
アトリエで、少なくとも全力で生きるという経験を知ってくれた2人。
その気持ちを活かして欲しい。
力は使えば、もっと出てくる。さらに使えば、さらに出る。
2人共、制作の場で僕が手を抜いたり、
力の配分をした場面を見たことが無いだろう。
僕自身、現場に入ればそこに居る人達の中で、
自分が一番真剣でなければならないと、常に思っている。
自分が賭けた力の分だけ、自分にかえってくる。
その事は、今は分からないが、時間と共に確実に分かる。
一生懸命何かをする事は、自分に投資するようなものだ。

10代の話を書いて来た。
お寺と、共働学舎と図書館を行き来する以外は、
一人暮らしをしていた時期も長かった。
これまで、振り返っても、決して恵まれた環境にはいなかったが、
僕は不思議と自分の願ったことは全部かなって来た。
その意味では運も良かった。欲しいものも手に入れた。
人にも恵まれた。
一つだけ、縁が無かったのはお金くらいだろう。
お金だけはいつも手に出来ない。
もしかしたら、それも守られている事かも知れないが。
そんな自分が、一番お金を自由に使えたのは一人暮らしをしていた時期だ。
いっぱい働いて、得たお金はほとんど使っていた。
僕の基準は、今は勉強する時期で、出し惜しみしてはいけない。
自分に投資せよという考えだった。
見るべきと思ったものは、どこまでも見に行った。
会っておくべきと感じた人には、どこまででも会いに行った。
本もたくさん買ったし、知らなかった世界にも触れてみた。
高級なお店にも1人で行ってみた。
この時期に、貯金ではなく、経験を刻むと言うことに、
自分に投資すると言うことに賭けてみたのは、後々本当にプラスだったと思う。

自分が見たり、聞いたり感じたりして来たもの。
出会った人達や行った場所。
そういった経験が自分を豊かにしてくれる。

間違った事もして来たかも知れない。人を傷つけた事もあった。
きれいな事ばかり書いてはズルいので、いずれそういった事もふりかえろう。

ただ言える事は、絶えず悔いが無いと言うことだ。
全力で行けるところまで行った。
見るべきものはみんな見たと言いきれる。
その時、その場においてやり残した事は何も無い。

自分にたくさんの経験を与え、投資すること。
失敗しようが成功しようが、正しかろうが、間違っていようが、
全力でやり抜く事。その経験が次に何が必要か教えてくれる。

そして、僕達の一番大事な役割であるアトリエの一日にしても、
一時も疎かにしてはならない。
今日も全力で真剣に挑む。また、新しい何かと出会わせてもらう。
毎日が楽しいとはこういう事だ。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。