2014年10月12日日曜日

今日もアトリエ

今回も台風が心配。
今日はまだもちそうだけど。

土曜日のアトリエはとても良かった。
とにかく作品が素晴らしい。絶妙な色使い。
昨日の日差しも幻のようで、外の色に応じるように変幻自在だった。
作家達の奥深さを思い知らされる。
シンプルだけどニュアンスは多彩だ。
終わった後、机に並んだ作品達が日差しを受けて輝いていた。
作家達の魂そのものがここにあるようだ。
ずっと傍にいるのに、いつも感動する。命の鼓動を感じる。
深く制作の中に入って行った時の彼らは、次元が違うのだと思う。
僕らは格下。
だからせめて自由に動き回っても揺れなように土台を支える。
居ても居なくてもあんまり変わらない存在になって行きたい。

スタッフとしても高い集中を保てた。
ずっと続けていることだが、
やっぱり日々気をつけていかなければならないことは多い。

特に休み明けや、大きな展示やイベントの後のアトリエ。
外の流れを持ち込んではいけない。
浮かれたり沈んだりが少しでもあれば場が乱れる。

全力でとか、一生懸命とか、大袈裟に言えば命をかけるとか、書くことが多い。
でも、それは注意力とエネルギーを最大に使うということであって、
がむしゃらにやれば良いということではない。
力技はなるべく避けるべきだ。

力は入れ過ぎても抜き過ぎてもいけないものだ。

作家達の溢れ出る創造性と響き合うスピード感には、
やはりクリエイティブなある種のセンスが必要。
それ以上に大切なのは今書いた同じ意識を保ち続ける職人性のようなものだ。

僕達は日常はともかく、一度場に立てば良い時と悪い時があってはならない。

場の中では全てが動いていて、外の状況も様々に変化している。
こころも身体も限界を持っている。どんな変化も起こりうる。
不確定の要素がほとんどなのだから、自分の力でどうこう出来るものではない。
だからこそなのだが、唯一出来ることは、その時の最高を目指す姿勢。
与えられた条件の中から最善を見つけ出し、そこまで行く労を惜しまないこと。

いつでも現在の流れを感じ、行くべき方向へ順応して行く敏感さ。

流れが良くない時でも、良くない中での一番良い場所が必ずある。

さて、今日はどんな場が見られるだろうか。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。