2014年6月14日土曜日

楽園としての芸術

いよいよ東京都美術館での展覧会が近づいて来た。
お会いする人達とお話ししていると、一様に来て下さると言う。

美術館側の特設サイトも充実していますので是非ご覧下さい。

作家達の世界の精髄に触れられる展示になるだろう。

アウトサイダーアートやアール・ブリュットとして行われる展覧会の多くが、
既成のイメージだけで成り立っている。
そのイメージは外部から作られたもので、それ自体を問い直す視点も乏しい。
更には作品をどのような基準で選定しているのかも曖昧だ。

そんな中で今回の展示は作品主体の本格的なものになるはずだ。

恐らく多くの人が始めて見るような世界に出会えるのではないだろうか。

僕の想像ではあるのだが、学芸員の中原さんの熱い目線を思うと、
そんな風に感じるのだ。

勿論、それがすべてだとは思わない。
様々な視点があって良いだろう。
ただ、こうじゃないどろうか、こうであるはずだ、それは違っている、
という見解をそろそろ提示し合い、議論して良い段階に入ったのではないだろうか。

僕達は外に出るまでしっかり作品を守り、
本当に信頼出来る方に恵まれた時にはその方に全面的に委ねる。

そこから客観性や社会性が生まれて来る。

僕自身も今回の展覧会がどんなものになるのか、予想がつかない。
だから楽しみだ。

中原さんから頂いた楽園としての芸術というテーマを、
今僕は考えている。
中原さんは展示と言う具体的な形で見せて下さるだろう。
僕は一つ一つの場の中でその答えを出して行きたい。

今日の制作の場が、楽園としての芸術を感じさせるものにならなければならない。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。