2013年3月4日月曜日

おだやかな風景

寒いですねえ。
冬の寒さとは違うけれど、まだまだ寒い。

昨日のアトリエでは午後クラスのみんなが絶好調で、
そのためかスピードも速かった。
みんな、パッと描いて帰っていったので、最後はてる君と2人になった。
いつもはすぐる君が残っていて、終わった後にお話することが多い。
昨日はすぐる君がお休みだった。

久しぶりにてる君と長く話した。
絵もいっぱい。なんと8枚も描いた。
どの絵も奇麗だし、連続して一つの世界を創っている。
色々と理屈ばかり言う人にはこんな作品を見てもらいたい。
この世界はほとんど無限だ。

てる君は相変わらずやさしく穏やかだ。
ゆっくり、いろんなことを話す。
最近あったこと、昔の思いで。
ディズニーランドやパズルのこと。
カラオケのこと。
昨日の作品は「豪徳寺駅」「経堂の駅」「千歳船橋」というタイトルがついていて、
それぞれに思い出が入っている。
ゲーム屋さんや学校やデニーズの話をしながら、
てる君のいるやわらかい世界に案内してくれる。

てる君が見ている、現在も過去も、本当に透明な空気に包まれた風景だ。

僕達もこんな風に世界に対したい。

平和と言うけれど、人間一人一人がこころを平和にしなければ実現しない。

本当のことを目指して、妥協せずに突き進むと、
様々な困難に向き合わざるをえない。
戦うことはまだまだやめられない。
無理解にさらされることも多い。

でも、こうして立ち向かい続けることが出来るのは、
ついてきてくれる方達のおかげだ。
保護者の方々にも感謝の気持ちでいっぱいだ。
気がつくとお掃除してくれてあったり、差し入れまで頂いたりと、
ここ最近もお気遣いいただいてばかりだ。
アトリエを大切に思って下さるだけで充分なので、
なるべくこちらでしっかりやって、ご心配をおかけしないようにしたい。

いつでも信頼してくれて、
自らの最も大切な内面の世界を開いてくれている作家たち。
いつも一緒だし、いつでも手をつないで進んで行きたい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。