2011年11月21日月曜日

帰る場所

あんまり寝ていない。
昨日は教室が終わってすぐに病院へ。
三重から来ていただいている敬子さんには、
夜だけ交代して健康ランドの仮眠室で休んでもらうことになった。
ゆうたは2時間おきに、おっぱいやオムツ交換を要求して泣く。
よしこは出産後、胃腸を悪くしていたので、まだ栄養も取れていない。
少しづつ回復はして来ている。トイレも行けるようになった。
まだ、おっぱいの出方は安定していないのと、ゆうた自身が大きいので、
半分母乳、半分粉ミルクという感じで。
僕はオムツをかえたり、ミルクをあっためて与えたり、哺乳瓶を消毒したり。
今が一番かわいいのかも知れない。楽しい。
2時間おきに泣くので、眠れないがやっぱり合間は寝ている。

土、日曜日は絵を見ているので、結構神経を使う。
10年ほどやってきて、絵画クラスの前後は必ずこころと身体を休めて、
万全の状態で教室に入るようにして来た。
でも、こどもが居たらそうも言っていられない。
今週はしっかり冷静に、自分の現場が出来ているか観察してみたが、
大丈夫。これなら行ける。
教室の質を落とさず育児も出来ると思う。

それにしても雰囲気を見ていると、多分ゆうたはわんぱく小僧になりそうだ。
僕とぜんぜんタイプが違いそうで楽しみ。

来年は新しい企画が始まる予定だ。
今、それに向けて準備している。
何度か著作権についても書いたが、今お話ししている会社も、
作品を出すことになる保護者の方達も、深い理解者ばかりで安心した。
新しいことに挑戦する時は、
最初の人達は勇気を持って開拓して行かなければならない。
そのために信頼関係が必要。
初めから、色々整備されている訳ではないので、
どうしても、細かいところでは不備が出てしまう。
希望を持って、次に繋げる。今回足りなかったところがあったら、
次は改善して行く。みんなにその様な姿勢が必要だ。
作家は作品を提供する、企業はデザインと商品化への諸々の力を提供する。
アトリエは繋ぐための作業を提供する。
私達はここで何日も作業が必要である場合でも、
手数料や人件費を頂かずにおこなっている。
年間を通して労力を考えると、案外たいへん。
でも、それぞれが協力し合って何かが生まれる。
良い活動につながる。

それとは別に、そろそろ仕事の仕方も考えて行かなければならない。
やっぱりこういった活動も含め、
作品を社会に紹介たり、デザインとして仕事を受けたり(まだ仕事としての企画は難しく、チャリティ枠でのお話ばかりなのが現状)といった、
場面はアトリエの中で別部門をつくりたい。
これまでは全部、僕達で進めて来たけど、それでは限界がある。
それに、もっと適任者が居るようにも思っている。
制作の場に関しては1人スタッフを育てているが、
そことのセンスは全く違ってくるので、この部門のスタッフも必要だ。
勿論、経済的に人を雇うことはまだ難しい状況だ。

個人的には僕は、お金の交渉や(今回は少しでも作家本人に使用料が入るようにお願いしている)権利を整える作業に時間を費やしたくない。
やりたくないのではなく、それだけ違うセンスを動かしていたら、
制作の場が疎かになる。
作品を生み出す、作家のこころと一つになるという現場において、
お金や権利とは無縁の次元を生きなければならない。
最初からこの矛盾は分かっていたが、
今この時点であらためて考えて行こうと思う。
とはいえ、しばらくは全部の作業に関わって行かなければならないだろうが。

いつかは、一番大切な「場」に全エネルギーを注ぎ込んで、
ひたすら質を高めて行ける環境を創りたい。

彼らは本当に奥深い。
まだまだ汲めども尽きない領域が存在している。
僕の本当の役割はそこにふれて行くことだと思っている。

でもでも、みんなが喜び合えている時は、やっぱりやって良かったなと思う。
だから、まあもっと機能的に整うまでは、僕でよければ何でもやりますが。

昨日のアトリエでは、なっちゃん、さとし君、絶好調。
午後は、てる君とすぐる君という男子2名がお休み。
ゆうり君、作風が安定して、はっきり個性が出て来た。
他では居ないタイプでやっぱり魅力的ですばらしい。
けいこちゃんは相変らず、ラテン系、超健康的作風。
色がいいなあ。
えいこちゃんはみんなが帰った後も、最後に1人で描いて、
すごくきれいな作品になった。
しばらく絵の感じが元気がなかったけど、
最近また色鮮やかな明るい、
そしてやさしいえいこちゃんの作品が戻って来て嬉しい。
良い作品を描く時、「家」というテーマになってることが多いけど、
彼女にとって「家」が幸せの象徴なのだろう。

今日は平日のクラス、プレ。
あきさんはるこさん、だいすけ君ゆうすけ君。
ここも本当にもう一つの家族の様な雰囲気。
時々、外でお仕事があって、プレに帰って来ると。
アキさんハルコさんを中心に、みんなが、
「おかえりー」と言ってくれる。
うあー、帰って来たー、ほっとするーと思う。
そういえば、絵画のクラスでも、生徒たちで、
「ただいまー」と入って来る人が結構いる。

帰る場所、落ち着く場所って大事。

先週は出産に立ち会うために、イサにプレを任せていたので、
今日は久しぶりだ。
さあ、良い場を創ろう。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。