昨日も雑誌の撮影が入った。
今は調子の悪い人も多い時期なので、いつも以上に気を遣う。
万全とは言えないまでも、作品もいいものが描けているし、
まずまずのクラスをお見せ出来たのではないだろうか。
しんじ君が「サクマさんってこんな人なんだよ」と、
お客さんに説明しているのが面白かった。
僕がふざけているところを、人に誤解されないように配慮している。
いつもそうだけど、彼らは本当に分かっている。
だいたいのことは察知している。
最近はますます思う。
彼らも、色んな場所で無理したりストレスを溜めていて、
辛い思いをして、ずっと我慢している。
そして、このアトリエまで頑張って来て、やっとホッとする。
そんな彼らに、少しの時間でもいい気持ちでいて欲しいし、
自分のリズムを取り戻して帰ってもらいたい。
一回の教室でも、疎かに出来ない。
遠くからはるばる来て下さる方もいる。
ここだけが、行き場所と思っている人も多い。
だから、本当のことがしたい。みんなに活き活きしてもらいたい。
そのために出来ることは短い時間の中であれ、
どんなことでもしなければならない。
エネルギーというものが、目には見えないけどある。
使いすぎると生命が消耗する。
でも、消耗した人が目の前にいたら、
僕は自分の中に蓄えたエネルギーを全部あげる。
それでも、ほんのちょっとだけ、良い流れが出来るだけだ。
人に良い気持ちになってもらうなんていうことは、
たやすいことではないのだ。
だからこそ、やりがいがある。
それにしても、昨日のしんじやしゅうちゃんの存在は素晴らしかった。
こういう人がいて、来た人は「いいなあ」と感じるのだ。
「場」というものは、人が居て初めて良いものになる。
どこかいい場所、もう一度行きたい場所を想像すると、
必ずそこに誰々がいる。あそこにはあの人がいる、と。
そういう人が居て「場」は出来ている。
アトリエでも、てる君やハルコさん、プレでのアキちゃん。
こういう人達が、主みたいになっていて、
「ようこそ。ここはこんなところだよ」と伝えてくれている。
前回、共働学舎のノブちゃんのことを書いた。
彼女もそんな存在だった。
あの場所をイメージする時、ノブちゃんのことを思い出す人は多かったと思う。
人こそ最大の財産。
一回、一回のアトリエをとことん大切にしていきたいと思う。
僕達の一生はそんなに長いものではないのだから。
先日もハルコと何気なくお話ししていると、
彼女が亡くなった人達を一人づつ思い出している。
しばらくして「どんどん減っていくね」とつぶやいた。
僕はすぐに「最後はハルコとドキンちゃん(彼女が好きなゆりあのこと)だけになったりして」と言うと、ハルコは大笑いしていた。
だけど、本当にその時は深く共感した。
単純なことだけど、精一杯、悔いのないように生きなければ。
ここまで会いに来てくれる人達に対しても、
いつも何か持って帰っていただきたいと思う。
何か得てもらいたい。もう二度と会うことが出来ないかも知れないのだから。
いつでも、これが最後かも知れないと思って、
本気で向かっていくようにしている。
見学者に対しても、色々注文をつけるようだが、
すべては少しでも良い場面を見ていただきたいからだ。
ましてやわざわざ、話を聞きに来た人に対しては、
持っているものはみんなあげなきゃと思う。
そんなこと思わなくてもいいのかも知れないが、
「ブログ読んでます」とか言われると、
じゃあ書いてないこと話さないとと思ってしまう。
今、この瞬間はもう2度とやってこない。
だからいつも大切に大切に、慈しむように生きていこう。