昨日は雨にも関わらず、多くの方にご来場頂いた。
有り難いなあ、と思うことが沢山ある。
書きたいことは色々あるが、もう少し落ち着いてから纏めたい。
今日はこれから明日のアトリエの準備をしてから会場へ向かう。
昨日の夜、そして今日寝起きから音楽を聴いた。
田中希代子のピアノが今の僕には響く。
尊敬している珈琲屋さんの味を、
清潔で奇麗で、心も身体も洗われるようだ、と書いた。
田中希代子の演奏も同じことがいえる。
あまりに真っすぐ過ぎて驚く。
田中希代子はストイックだ。ただ、何故こんなに心を打つのだろう。
これだけ真っ正面から何かに挑むことは、今の時代難しい。
逃げない、感傷に浸らない。
凛とした佇まい。芯の強さ。
正しい姿勢。
揺るぎない確信。
一つ一つの音が決然として前の音を断ち切って行く。
確かに遊びもおおらかさもない、ある意味で一面的な音楽だ。
でもそれで良いんだと思わせられる。
人は何もかもを手に入れることは出来ない。
ある決断をするとは他を諦めることでもあるはずだ。
勇気をもらうとはこういうことを言うのではないか。
破綻のない端正な、そしてちょっと硬い音楽。
完璧主義が窮屈に感じる人もいるかも知れない。
完璧しか目指せない彼女のような人が必要なのではないか。
正しさとは何かを教えてくれる音楽だ。
自分の中に無駄なものがいっぱい付いて来たと感じた時、
僕は田中希代子の音を聴きたくなる。
真っすぐに前を見ようと思う。
まぎれもない音楽がそこにある。