2013年6月22日土曜日

いろいろ

雨が続いた。今日はすっかり青空。

今週はたくさん打ち合わせがあって、いっぱい人に会った。
アトリエの活動には本当に多くの方が関心をよせて下さり、
熱心に耳を傾けて下さる。
だからこそ、この社会の中で必要な役割を実行して行きたい。
多くのご期待に応えて行きたい。

かなり忙しくなってきたが、こころをこめて仕事して行こう。

最近、まますます思うのはブレないことの大切さだ。
少し前によし子と電話で話していて、こんな話題になった。
(彼女も急がしいのでなかなか連絡が取れず、電話がつながるとつい、あれこれ話してしまう時がある。)
こういうことだ。
僕達が東京でアトリエを始めた時は、同じ意識とまでは言わないまでも、
いくつか良い活動をする団体があったし、新しいことに取り組む人達がいた。
同時期に始まったようなところもあれば、古くからあるところが、
新しい意識で取り組み直しているものもあった。
10数年の間にちょっとは良かったそれらの活動も、みんなダメになって行った。
ここでいうダメは、こちらの価値観だから、
それらの存在意義を否定するものではない。
ただ、従来のあり方を変革すべく出てきた活動のほとんどが、
これまでの波にのまれ、つまらない昔ながらの組織になっていってしまった。
何故だろうと考えた時に、勿論、制度の問題も大きいが、
それも含め、やる側の意思の力が衰えるからだと思う。
まあいいか、という妥協。
こっちにおいでよ、という周りからの強い引き寄せ。
戦い続けることは疲れる。
それで少しづつ、みんな仲間になって行く。

体力が衰えると、つい甘えたくなる。
こっちにくれば、みんな仲良しだし、みんな分かってくれるよ、
という誘いに乗って、自分達の使命や美意識や厳しさを捨てて、
その中に入って行ってしまう。
中身はなあなあだ。
誰のために、何をするのか、今のありかたに何が欠けているのか、
そういった自覚を持ち続けなければならない。
ここまで言うと、誤解もあるかも知れないけれど、
結局、このアトリエしか残ってないのか、という思いもある。
改めて、ブレてはいけないと覚悟を決めなければ。

みんな楽したいらしい。苦しみたくないらしい。
でも、少なくとも僕は先へ行かせていただく。
これからは仕事もより絞って行くだろう。
馴れ合いの低レベルのお仕事はお受け出来ない。

とは言え、張っているのはかなり体力がいる。
これまでは全く意識しなかったけれど。
疲れたり、虚しさを感じたり、言いようのないジレンマにおちいったり。
未だにあがき続けている。

でも、作家たちから見えて来るビジョンが語る方向はこっちしかないと確信する。
彼らの持つ力を甘く見て欲しくないし、
低いレベルで扱われたり、語られ続けることに怒りを覚える。

僕達には強いビジョンが見えているのだから、
薄める必要はないはずだ。妥協したり諦めたりしてはいけないはずだ。

これまでこうして生きてきて。
こういう仕事に人生を捧げてきて、全く後悔はない。
本当に大きなものを貰ってきた。
はかりしれない光景が待っていた。思いもよらない幸せだった。
でも、一方で普通の人達が普通に望むであろう多くのことを、
諦めなければならなかった。犠牲という言葉は使いたくないけど。
多くのものを切り捨てて進まなければならなかった。
もし、普通に生きていたら、こうはならなかっただろうという多くの、
矛盾や葛藤や深い悲しみにも出会わなければならなかった。

それでも歩いてきた。

僕が16の頃からずっとお世話になってきた共働学舎のことだけど、
ある時期以後の活動を、僕は良いとは思っていない。
そういう意味では否定しているし、もっとこうあるべきだと思っている。
もし、全面的に良いと思っていれば一緒に働いているだろう。
でも、あれだけ、みんなで協力している姿にはやっぱり励まされる部分もある。

久しぶりに学舎の会報を読んだ。
まことさん夫妻の文章が素晴らしかった。
ちょっとだけ引用させて下さい。

「真一郎(創設者の宮嶋先生)が食卓で、ぼそっとこんなことをつぶやきました。
(共働学舎とは何かと言われたらそれは【家】。わしは四十年かかって家族を作ってきたんだなあ。)
私達は地縁も血縁もない、経済的雇用関係もない、どこかで共働学舎の名前に出会い、自分の居場所を求めてここへ来た人々の集まりです。出会うべくして出会って今ここに存在しています。家族のように生活し、隣の人が笑えば笑い、悲しめば悲しくなりして、縁を太くしてきたのです。(・・がいないと××ができない)とか(○○がいると仕事ができない)とかの声が聞こえます。でも、私達は仕事するために集まってきたのではなく、一緒に生きるために集められた仲間のはず‥‥共働学舎という家がつぶれないように、一人一人の家族が力を出し合えるようにと祈ります。」

これを読んでいて、やっぱり続けてきた人達は見えてくるものが違うなと感じた。
宮嶋親子が言う、家族というキーワードは本当に大きい。
僕達も20年先に(もし生きていられれば)こんなところに行っていたい。
宮嶋先生やまことさんと一緒に暮らし、働いていた時間は掛け替えのない宝物だ。

さてさて、今日、明日のアトリエも一生懸命、良い場にします。
明日は撮影も入る。
そして、月曜日からは佐久間は三重に行きます。
平日のクラスは関川君が進めます。
まだ、お話し出来る段階ではありませんが、これからに向けて、
色々新しいことにも挑んで行く予定なのでまたご報告しますね。

みなさまも良い1日になりますように。
天気、すごく良くなってきましたねー。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。