暑さはまだまだ残っているけど、秋らしい気配がする。
季節はどこで感じるのだろう。
今の場合は多分、音と空気だろう。虫の声が変わる。空気が乾いてくる。
僕が小さな頃は金沢は夏も冬も強い湿気だった。
湿度が高いと暑さも寒さも、しつこく身にしみる。
今では金沢も乾燥している。土地特有の風土というものも変わって行く。
ダウンズタウンのことを少しだけ書く。
僕達は未来を見据えている。変わるべき時代の流れを感じている。
今の在り方が終わるまで、何となく流されていく人が多分、おおいだろう。
でも、僕達は始める。
大袈裟に大きなことを始めるのではなく、人知れず土の上を耕し始める。
気が付いた人、同じ思いを持つ人は、一緒に耕そう。
いつかその土壌が未来の地盤となる。
生き方、つながり方、幸せや価値観。
ダウンズタウンは、未来はこんな風な生き方が良いのじゃないの、
という見本になれたらいい。
人間はこんな風にも生きられるよ、ということを関わる人達で証明したい。
ダウン症の人達の感性の在り方から、メッセージをキャッチしてきた。
これを読み解く作業と同時に、共に創っていく必要がある。
何度も書いて来たが、大切なのは感じること。
今起きていることや、これから起きようとすることを。
今、僕達がおかれている状況を。
深く感じること。感じたままに動くこと。
例えば、自然界では毒があると、その近くに解毒する草があったりする。
その場にある問題の答えはその場にある。
僕達は何も持っていないが、何も出来ない訳ではない。
人のこころと向き合う場がそれを証明している。
答えはその人が持っていて、その人にしかない。
僕達は一緒に答えを見つけて来た。
何も知らなくても、何も持たなくても答えは見つけだすことが出来た。
東京のアトリエを考えても、よし子とたった2人で、生徒だけを見ていた時期がある。
目の前にいる人にひたすら向き合えば何か見えてくるはずと。
今ではたくさんの人がこの場を訪れるし、応援してくれる人や、
手伝ってくれる人。深い共感をよせてくれる人がたくさんいる。
たった2人だった時に、この状況が予想出来ただろうか。
すべての人には、その場を良くしていく力がある。
感じることと信じることさえやめなければ。
僕達はよりたくさんの仲間と、もう一度耕し始める。
10年後、確実に何かが変わっているだろう。
いろんなことを考えてないで、恐れていないで、待っていないで始めよう。
耕し続けることに答えがあるだろう。