2012年1月10日火曜日

健康な美

今日からプレのクラスもスタートです。

今年もまずは教室を充実させていこう。
ずっと制作の場を見て来ているが、毎回新しい経験がまっている。
スタッフも動きが止まってはならない。
いつも初めてという状態で挑みたい。

制作の場、このアトリエの実践は特殊なものかも知れない。
でも、その中でなにかしら普遍的なもの、
どんな人にも通じる何かが見えてくる。
勿論、この場でしか通用しないような事もある。
それはそれで大事なことであったりするが、
やっぱりどんな人でも、こうすると気持ちよくて幸せだねという、
テーマを考えて行きたい。
今年もこのブログでは、アトリエの実践の中から見えてくる、
みんなにとって良いこと役立つことを考えて行きたい。
思想というか、考えのような部分は去年までのブログで、
だいたい書いて来た。
お時間のある方は読んでみて下さい。あるいは読み返してみて下さい。
今年はさらに分かり易くしていきたい。
ちょっとでも試してみるか、と思ってもらえるものにしたい。

ところで、「美」、美しさってなんだろう。
美術館に人がなかなか行かない時代だそうだ。
美術館に行けば、美しいものがあるのだろうか?
それはともかくとして、このアトリエに通う人達を見ていて、
彼らは本当に美しさに敏感だと思う。
美を見つけ出すのも、創り出すのも上手だ。

ある意味で時代が病んでくると、美を見出すセンスも変わってくる。
何故か人は闇にひかれる。混沌や狂気や腐敗に。
闇を美しいと感じる。
それ自体が悪いとは思わない。闇が無ければ光も無いのだから。
でも、美の感覚の基本にあるのは健康な美しさだ。
そこを忘れてはならない。

現代では健康なものは一段浅いものに見られがちだ。
確かに浅さを健康さややさしさと勘違いしている人も多い。
健康で深いものもある。健康で美しい、それが美の本質だ。

絵画も音楽や映画や、様々な表現も、
闇の深さばかりに目がいっている時代が長かった。
そろそろ、明るいもの、健康な美しさにも目を向けたい。

例えばアトリエ・エレマン・プレザンの作家たちの作品。
みんな健康的な美しさがあると思います。
どうでしょうか?どのように感じられるか、みなさんのご意見を聞きたいです。
まだご覧になったことの無い方、今年もどこかで展示すると思いますので、
機会があったら是非、見て下さい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。