2015年6月10日水曜日

暑い日

東京は梅雨入り。

夕方以降の涼しくなった時間が何とも言えない。
気持ち良くもあり、静かでもあり、寂しくもある。
昨日の幻のような空の色。

赤く輝きながらゆるやかに変化して行く空は、
白い紙に色が重ねられて行く時に見えている景色のようだった。

人のことは言うまい、と思う。
外のことは放っておいて、黙々と良い形を創って行けば良いのだ、と。
でもつい言いたくもなる。
くだらない活動は害を及ぼすから。
あまりにも節操がなさすぎる。
遊びで何をしていても法にさえ触れなければ良いと思う。
でも、人に関わること、少なからず人に影響を与える何かをするなら、
責任と自覚を持って、そしてプロとしての技術を持って行うべきだ。
自分に資格があるのかどうかも、問うてみるべきだ。

まあ、人のことばかりも言ってはいられない。
何となくとか、これまでそうして来たから、というのは僕には動機にならない。
このブログにおいても何を書くべきなのか、
今、何を伝えるべきなのか、もう一度確認して行かなければならない。
惰性は最も恐れるところだ。

僕にとって現場が全てで、そこで何が出来るのかにつきる。

ここでの言葉が単に場を薄めただけのものなら、書く意味はないはずだ。

このブログがあるから繋がっている人も居るし、
これを通じて出会えた人も居る。

場と同じように、少しでも見方や認識に変化が起きるような言葉を見つけたい。

場と同じように、いつでも命を、魂を投げ出す覚悟で。
最も大切なものを差し出す、ということが必要なのだろう。

場においては、思ってもみなかったものが姿を表すこともある。
そんな深い場面まで、言葉が行くことが出来るのなら、いつかは、と思う。

どんな方向に向かって行くのか、まだ模索中だ。
でも、言えることは、生きているということはやっぱり素晴らしいこと。
制作の場とはその認識を全身で噛み締めることだ、と思っている。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。