物事にも人生にも世界にも核や芯と言うものがある。
上っ面の浅い部分でうろちょろしていたいという常もあるが。
表面でのあれはああだとか、これはこうだとか、
良いとか悪いとか、好きとか嫌いとか、本当のところ、
そんなことは大したことではない。
もっともっと深いところ。芯の部分を見て行きたいし、触れて行きたい。
人にも、人の心にも芯となる部分がある。
作家達が制作すること、僕達が場を整えることは、
すべてこの芯へ向かって行くことだ。
人間の芯に辿り着いた時、同時にそれが自分の芯であり、
この世界の芯であることに気がつく。
始めからそれ以外に何もなかったのだと。
僕達の居る場所にはあなたと私なんてない。
これとあれとか、あっちとこっちとか、右も左も上も下も。
何にもない。
ただ得体の知れない気配だけがある。
何処でもない場所へ向かって進んで行く。
目的がある訳ではなく、
むしろ進んで行くことは元へ返って行くことなのだと思う。