2014年4月29日火曜日

作品

制作の場では日々、作品が生まれ続けている。
途切れることがない。

彼らの素晴らしさは作品にすべて現れている。
作品を見て頂ければ分かる。

作品に現れるような彼らの芯の部分は、
他の状況や何によっても見ることが出来ない。
知ることが出来ない。
だから、作品の世界が途轍もなく大切になって来る。

極端な話、作品に触れずに彼らを知ることは出来ないと思っている。

それくらい、自由になるし、それくらい本質が現れる。
そして、それくらい他の時間とは別次元の凄みが出て来る。

何故、そうなのかは謎だ。

作品は見て、感じてもらうしかない。
経験してもらうしかない。

一番核心にあるものについては語れない。

僕が伝えているのは周辺にあるものや、とっかかりにすぎない。

作品がすべてと言ったからといって、
それは単に美術とか芸術の話ではない。
芸術至上主義とも何の関係もない。

もっと生命の根源に触れる何かが、その作品の中にある。

解釈を捨て、考えを捨て、純粋に見て、感じて、経験してみて欲しい。

そこにはこの世界がどんなものであるかが、
私達がどのような存在であり、宇宙や生命がどのようにあるのかさえ、
描かれていると思う。
それぞれの色彩は他のものと混ざり合い、戯れている。
何処までも動き続け、重なり、流れて行く。
何の限界もなく、自由で、始まりも終わりもない。
何処にも留まらない。何処にも区切りも境界もない。
流れ流れ、遊び、笑う、スピード、リズム、間。
言葉にすることも、解釈することも出来ない。
ただ感じることだけが可能だ。
そのようにすべてがある。

少なくともそこに何かがあるのを感じてみて欲しい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。