2014年4月26日土曜日

静かな音楽

素晴らしい朝。そして朝日。

今日は土曜日のクラス。
場と言うものを自覚しだしてから20年近く経つが、
不思議に今でも特別な感覚が持続している。
いつでもそれは特別な時間だ。

場においては、一度、あるものを全て浮かび上がらせ、
その中から本質を探し出す。
この作業は場に入る人間全員で行われる。
作家もスタッフも一緒になって。

良い場とは本質が現れているということだ。
良い場になって来ると、身体が軽くなって来る。
そしてやがて身体の感覚が無くなっていく。
消えていきそうになる。
何度か書いている、途轍もなく懐かしい感じや、
夢や幻のような感覚も、深い部分に触れつつある時に生まれる。

柔らかく芯に触れていく。

最近、手嶌葵の3枚目のアルバムをずっと聴いている。
映画の音楽を集めたもので有名な曲ばっかり。
こういうのをやるとチープになってしまうのに、これは全くならない。
手嶌葵はこれしか聴いていないから分からないけれど、
おそらくこれは彼女らしさ全開の作品では無いだろう。
個性的に歌わないからこそ良さが出ている。
当たり前に曲の良さが響いてくる。
あまりに美しく透明な世界。そして何処までも儚いさみしさが漂う。
本当に静かできれい。今はこういう音楽を聴いていたい。

もう50回は聴いているのではないだろうか。
勿論、何かをしながらだけれど。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。