2011年9月6日火曜日

プレ•ダウンズタウン

最近、色んな方がブログを読んで下さっていると聞く。
好意的なご感想もいただく。本当に嬉しいことだ。

このブログでは、アトリエの事を知っていただくだけではなく、
この場から見えてくる事を通して、少しでもこころが豊かになるために、
役立つ視点を書いていきたいと思っている。
読んで下さるみなさんのお役に立てるものを書きたいと、心を込めて書いてはいるけど、
自分の力不足を感じる事は多い。
ただ、ブログの様な形だと書き流す様な文章が多いので、
そういったものにだけはしないようにしている。
毎回読むのが大変だと思うので、ご興味の持てるものだけお読みいただければと思う。
勿論、お時間がある時は過去のものでも是非、お読みいただければ嬉しいです。

昨日は久しぶりの元学生が遊びに来てくれた。
赤ちゃんを心から祝福してくれて、よし子の目からも涙という場面もあった。
ありがとう。
でも、ちょっとだけ学生チームにお願いです。
よし子さんの体調はやはり普段とは違います。
会いたい人、お話したい人もいると思うけど、しばらく休ませてあげてね。
僕1人でも良ければ、話は聞きます。(よし子さん、お灸、マッサージ時間は僕の仕事)
みんな協力お願いね。

さて、昨日から平日のクラスが始まった。
月、火、水曜日におこなわれているクラスはプレ•ダウンズタウンという名前。
プレはその名の通り、ダウンズタウンへ向かうための活動だ。
もともとこのクラスは、アトリエが代々木にあった頃に学校として始まっている。
当時、中学校卒業を目前にむかえた、保護者の方々が中心となって高校のかわりとして、
学校が創れないかということでスタートした。
指導(僕らは指導という言葉は使わないが)を任された僕達は、
どのような学校にしていこうかと考えた。
結論は一人一人が、自分で創り、みんなで協力して創造する学校にすることだった。
最初に参加した4人のメンバーは既に絵画を描き続けている人達。
アトリエでは特別な場合は除き、制作に題材やモチーフを与えない。
テーマもなし。技法を教える事もない。描くように言う事すらほとんどない。
その中で、彼らは描き、画面に調和を生み出す。
この感覚は彼らの内面にある、秩序でありバランスであるはずだ。
それは、彼らの生そのものにある秩序でもあると考えた。
そこで絵を描くのと同じように、学校も創っていけるはずと思い、このクラスが出来た。
最初は何もないビルの一室に4名の生徒と僕とよし子が入って、
「これからなにしよっか?どんな学校にしたい?」
と言うところから始まった。
「壁が真っ白でつまんないから、みんなで絵を描きたい」
と1人が言ったのが始めての共同作業のスタートだった。
壁に絵を描きながら彼らのイメージはどんどんふくらんでいった。
みんなで棚や机を創った。
柱にもブラインドにも模様を付けた。
トイレはカッティングシートできれいなデザインにした。
自分達で創った空間の中で、一人一人が落ち着いて学び合い、
自分のスタイルを確立していった。
ダウンズタウンの具体的なイメージはここから生まれている部分も大きい。
ここだけで話が終わってしまうので、学校の話はまたいずれ。

そうやって創って来た場が今、プレダウンズタウンとなっている。
学生達やお客さんはプレに来て、メンバーに会い、歓迎されて友達になったり、
幸せを分け合っている。
時には落ち込んだ時に、彼らの迷いなく創っていく姿勢や、
明るい笑顔や、人を思いやる気持ちに救われたり。
学びと創造の空間がプレだ。

プレダウンズタウンは会員の方達のご寄付に大きく助けられている。
毎年、支えて下さる皆さまにプレのご報告をすると、
すぐにご寄付を振り込んで下さる方々。
そういった方達の思いがこの場を創っている。

スタッフもここでは人件費は頂かずに、場づくりをさせていただいている。

この場の可能性と力を信じる人達で、良いものが生まれている。

昨日の初日はゆうすけ君の
「うはよーございぱーーす」の元気な声で始まった。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。