2015年9月11日金曜日

場を想う時間

秋なので忙しい時期でもあり、10月は東京に居られないこともあって、
いろいろ整理すべきことも多い。

それでもやっぱり秋は内省的になって行く。

最も敏感に動けていた時は、場から離れればすっかり何もかも忘れていた。
その方が良いと思っていた。

今はまたちょっと違って場から離れている時に、
場を思う時間が大切になった。

場のことを思い浮かべる時間が楽しくもある。

いっぱい見て来たなあ、と思う。

ここで生まれているようなレベルの作品は他ではそうそう出て来ない。
当たり前にそう言ってしまうことが出来る。
それは事実だから。
でも、僕は場の中で絵を見ている訳ではない。

もっと言うと作品と言うのは手段に過ぎない。

場の全ては一つのところへ行くためにある。
そこではみんなが、自由で、平和で、輝く。これ以上のものはない。
そしてそれは誰も否定出来ない。

ここが最高の場だといつも言う。
普通はそんなこと言わないし、言えない。
確信がないから。それから自慢話ととられるから。
場は僕のものではないから自慢しようがない。

良い作品が生まれる条件がある。
良い場になる条件がある。
しっかりと条件を満たすのみ。

最近もそうだけど形だけ真似する人が後を絶たない。
表面だけまねる。どうにもならない。やっている本人も実感も充実感もない。
だから何処にも行けない。

本気でやる気があるのなら、いつでも教えるのに。

さあ、2、4週のクラスだ。
土曜日のクラスは集中という側面から見れば、今一番かも知れない。
かなり深く入る時間。

静かな夜に、虫の音を聴きながら場を思う。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。