2013年5月26日日曜日

もっと前へ

今日は曇り。
思っても言ってはいけないことなのかも知れないが、
忙しくしているともったいない。
時間は容赦なく過ぎて行く。

人生を大切にしなければならない。

昨日のアトリエもはっとするような作品が多く生み出された。

書くべきことがたくさんあって、
ずっとずっと書きたいと思っていたのだけど、
そんな一つ一つが過去になってしまったので、他のことにしようと思う。
いつでも、今の実感の中にいたいと思うのだ。

アトリエの活動やメッセージが本当に多くの人達に共感されたり、
伝わりだしているなあ、と感じるこのごろ。

社会も人の意識も変わりつつあるのだと思う。

ずっと同じ意識で挑み、同じことを語ってきたけれど、
全く誰にも響かず、伝わらない時期もあった。
よくわからないことを言っていると思われていた。
勿論、こちらが未熟で拙かったせいもあるだろう。
でも、社会が変わったのだと思う。
大切なことが何なのか、そこに向かわなければならなくなった。
というより、そこへ向かわざるをえなくなった。

僕自身は人間にとっての根源的な問題だけを考えてきたし、
実践してきた。
根源に帰らなければならなくなること、それが必要になること。
そんな時代は本当に大変だと思う。

人間とか、生きるとか、幸せとか、もっと言うと愛とか、
本当に必要なことはそれだけなのだけど、
それに気がつくということはそれだけ、目の前に困難があるということだ。

豊かでなに不自由無く、繁栄しているとき、人は根源など考えない。

何かが崩壊し、信じるものがなくなり、これまでの価値が価値でなくなる。
なにもかもが失われて、裸になって最初からやり直しの時が来る。
僕はそれが今おきつつあることだと思っている。

多くの人にとって、変わりつつある流れは、不幸であったり、
困難であったり、悲しむべきことであるだろう。
けれども、ここから始まるのだと考えられたら素晴らしい。

美しいとはどんなことか。
どんなふうに生きて、どんな風に繋がって、どんな風に喜びあえるか。
これまで制作の場の中で探求してきたことが、
この社会にとってどんな価値となるのか試されている。

僕達がこの小さな場で、昨日も今日もおこなうこと。
それは、一度、こころの奥深くへ潜ること。
一人一人が自分の中でその作業をおこなって、
同時にこの場全体で深め合い、高め合う。
そうして行くと、全員が自分で自分が全員になる。

人のこころの深くには調和がある。
その調和はこの宇宙の秩序と同質のものだ。

だから、いつでもこころの中で感じとろう。
深く感じて、深く聴くことが出来たら、ゆっくりと外へ向かって広げて行こう。

響き合う場を社会の中に創って行きたい。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。