2014年1月10日金曜日

芸を磨く

冬まっただなか、寒いですねえ。
夜、雪もちらついていました。

絵画クラスも、平日のプレクラスも始まり、
今年も穏やかな笑顔に溢れている。

ゆうたとの時間の中で、これまでに無い多くのことを発見している。
ゆうたという存在が教えてくれることはあまりに多い。
そして、親として彼に全力で向き合う時間を作って行かなければと思う。

三重の自然、環境と、家族や支えてくれる人達に感謝。
みんなのお陰でゆうたが育っている。

家族のこと、個人的なことはここでは最小限にしておこう。

絵本のプレゼントを置いて行ってくれたのは、
1年間ボランティアをして下さっていたあきこさんでした。
今はアメリカなのだけど、年末に帰国した時に来てくれたそうです。
本当に嬉しかったし、なにより、
アトリエに来てくれた人達がこうして繋がっている、という素晴らしさ。
応援して下さる方からのメッセージ。
しとみ君、モロちゃん、ありがとう。

安藤真規子さんからの年賀状は去年はお守りのように、
壁に貼って、ずっと助けられてきました。今年もそうします。
真の理解者だと思っています。いつもこころのささえです。

東京アトリエはこれまでのものを守りつつ、より良い場を目指し続ける。

改めてお知らせしますが、今年も3月に佐久間の講演を予定しています。

作家たちの世界とその魅力と可能性を伝えて来て、
昨年は関わる人達に向けても多くを語って来た。

これからもこの2つは同時に伝えて行きたいと思う。

関わることを仕事とする多くのジャンルの方々が居る。
でも、未だにそれぞれの自覚は低いと言わざるを得ない。

高い志と覚悟、絶えず向上する努力。
経験に裏打ちされた確信といつでも学んで自分を変えて行く謙虚さ。
そう言ったものはどんな仕事においても必要とされる。
関わるということをそのような仕事として位置づけている人自体が少なすぎる。

僕達の現場は作家たちが主役であってスタッフは陰の存在。
他の現場もそのような部分は大きいと思う。
ここが関わる側の自覚を薄くしてしまう原因にもなり得る部分だ。
陰の存在だからといって、努力が必要ない訳ではないということを忘れてはならない。

お能で言えば、作家たちがシテでありスタッフはワキであると言える。
言うまでもなく、お能におけるワキ方には多くの能力が要求されている。
それどころか、シテとワキの重要度はほとんど同じ位だ。

そう言う自覚の無い人が、人と関わってはいけない。
制作の場とは、舞台のようなものだ。
舞台に上ってなんの芸もしない、というのはあり得ないだろう。

関わる人達の意識の向上を願って、話して来たが、
これから東京アトリエはスタッフをしっかり育てて行く。

あんまりこんな風に書くと次のスタッフにはプレッシャーかも知れない。
でも、責任やプレッシャーはありがたいものだ。
自分に緊張感を与えてくれるものは、自分を育ててくれる。

僕自身、いつも強いプレッシャーと責任を感じ続けている。

お能を例にしたけれども、僕達も絶えず芸を磨いて行かなければならない。
その前に僕らがやっているようなことも、分かりづらいかも知れないけれど、
芸なのだ、という自覚を持って、努力を怠ってはならない。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。