2013年4月30日火曜日

心をこめて

4月も終わりだ。
準備することはいっぱいだ。

この一月はゆうたに本当に多くのものをもらったし教えられた。
一生のうち、何度もない時間だ。

今週の絵のクラスでは、いつになく深く場に入っていた感じがする。
流れやこころに響く感触が忘れられない。
それにそんな時期は良く眠れる。全く夢も見ないし。

場が上手くいかない場面というのが、僕にはうかばない。
制作が流れなかったり、絵が生まれて来ないという状況を想像すら出来ない。
無駄なことをしなければ、流れは良い方向へ向かう。
少しでも改善出来ない場面というものはない。
迷っている情景を僕は描くことが出来ない。
だから、場においていつでも何をすれば良いのか見える。

「今度は家族3人でピザパス!」とあみちゃんが言う。
「えっ?なに?ピザパスって」
「ピザを食べてパスタを食べることだよ」

日曜日は午後のクラスの前半がみんな、精神面、体調面も含めて、
場全体が重かった。
流れが少し淀んでいた。
ところが、後半、全員がいっぺんにもちなおして、色彩に溢れ出した。
場も筆も流れるように動き始めた。
こんな瞬間を見るのは本当に楽しい。

この辺のエリアで一番好きだったお店が引っ越しをするそうだ。
とても丁寧な仕事をするお店だった。
小さな、こころの通った良い場だった。
勉強になった。
こういう場所や物を作ることが出来る人を僕は尊敬する。

いろんなことがあって、いろんな出会いや別れがあって、
寂しい気持ちもいっぱい感じて、最後に残るのは感謝だ。

僕達も良いお店と一緒で、形に残って行くものよりも、
一人一人の記憶の中に刻まれていく良いものを創って行きたい。

大切なのはこころをこめること。
手を抜かないこと。
丁寧に時間をかけること。手間隙を惜しまないこと。
そのお店はそんなことを教えてくれた。
単純だけど、本当に実行している人は少ない。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。