まだまだ寒い日は寒い。
水曜日はあたたかくて気持ち良かった。
あの幻のような景色。
最近も振り向くと月に照らされている。
この時期に体調を崩す人も多い。
僕も鼻炎と目の腫れがようやく治まりつつある。
今年はしんどいなあ。
アトリエへ寄せられる沢山のメッセージに、
皆さんの思いを強く感じる。
僕には一生懸命に場に挑むことしか出来ない。
みんなの願い、みんなの思いがなぞられるように、大切な時を刻みたい。
僕個人の状態で言えば、
上手い下手とか技術的な部分、感覚的な部分は毎度言うが衰えている。
一番良い時の状態とは程遠い。
ただ、場の本当の意味を分かって来ているのはむしろ今だ。
そして増々、自分の力を離れて、これまで与えられ、教えられて来たことや、
たくさんの人や瞬間が、僕を動かしている。
忠実にただ動かされていれば良いという風になって来ている。
無数の声が同時に聴こえ、無数の波が折り重なっている。
このあるべき場所にすべてがあるという感覚に安らぎを覚える。
僕らが場の中で教えられて来たことで大切なことがある。
様々な状況にある人と一緒に生きて来たけど、
そして人生は辛いことや悲しいことにみちているけれど、
もっと深いところでは大丈夫なのだ、という実感だ。
もし、この深いところではすべて大丈夫だ、
という実感を例えその時だけでも共有出来るなら、
それこそが最高の現場だと言える。
今の世の中だって救い様の無いような現実が日々、繰り返されている。
出会いも別れも、それにとんでもなく不条理なこともある。
少なくとも僕は慰めで解決しようとは思わない。
色んなことを諦めてこの場にいる人もいる。
僕自身もたくさんのことを諦めざるえなかった。
道なかばで倒れた人達や、絶望の先が見えなかった人達もいた。
どんな人のことも決して忘れない。
そのとき出来ることは全部やって、やり残しの無いようにして来た。
それでも、あれで良かったのか、もっと他になかったのか、
という気持ちはある。
でもどこかで、もっともっと深い場所ではみんな大丈夫だ、
ということがふっと分かる時がある。
場の中で何故深いところまで行きたいか、というとそういうことだ。
深いところでは今もみんなが繋がっている。
大丈夫な場所がある。そこでは、すべてがあるべき場所にある。
全部がこれで良かったのだと、これで良いのだね、と思える。
そんな場所が一人一人のこころの奥にある。
いつでも僕達はそこに気づくことが出来るはずだ。