今日は暖かくなった。
日差しも奇麗。
しばらく前に久しぶりに稲垣君が見学に来た。
こうして途切れずに仲間達と繋がっていることが嬉しい。
土、日曜日の制作では、この心身ともに苦しい状況の人が多い中、
かなり良い場になったと思う。
この時期の現場は本当に狙う的はギリギリのところだ。
でも、これが上手く行った時は逆にいつも以上に素晴らしい何かがある。
何人かの作家からは電話もあった。
つらいなあ、と一緒に変化を待って来た。
もう少しすればみんなちょっとは楽になるだろう。
北陸新幹線が始まった。
金沢まで2時間30分。信じられない。
善くも悪くも色々考えさせられて来た。
ここ数年の金沢の在り方はちょっと、という部分も多かった。
大切な木々が切り倒されて駐車場になった。(これは観光とは関係のない場所で)
それでも10年以上前から話題になっていた新幹線がやっと実現して、
多くの人が金沢を視野に入れてくれることはやっぱり嬉しい。
ただ、あの街は魅力が分かりづらくもある。
豊かな自然がある訳ではないし、東京、大阪、福岡のような都会でもない。
文化で勝負なのだけど、その文化は結構ゆっくりしていて、
善くも悪くも強いインパクトを与えるものではない。
知って経験して行くと本当に奥深いものがあるのだが。
日本海の魚のレベルの高さは関東に居ては絶対に分からない。
和菓子も素晴らしい。
東京で知られているのは森八の長正殿くらいだけど、
生菓子で凄いところはいっぱいある。
特に職人技を感じるのは「吉はし」。ここは注文販売のみだが。
まずは東茶屋街に行けば、雰囲気が分かってもらえると思う。
僕の実家は反対の西茶屋街の近くで、こちらは殆ど観光客の姿を見ない。
来ても何も無いからしょうがないが。
でも、西茶屋には「かわむら」という甘納豆のお店があって、
このお店は素晴らしいです。味もセンスも全体の雰囲気も。
観光する場合、中途半端な場所にあるけど「ローレンス」という喫茶店。
最近は空いている時間がルーズになっているけど、
独自の雰囲気は他に無いものだと思う。
ここには先代のマスターの時代に通っていた。
当時は暖炉でレコードを使っていた。
僕は年に一回帰ると珈琲を飲みに行く店があるけど、
万人向けではないし、かなり覚悟がいる店なのでここでは紹介しない。
金沢はあの幻想的な時間の流れ方が特色で、
そこに気がつくには本当はのんびり行った方が良いので、
この新幹線というのが観光向けなのか実は分からない。
せめて新幹線で吉田健一の金沢に関するエッセイか、
金沢というタイトルの小説を読みながら、向かうとちょっと雰囲気が出るかな。
金沢のことをちょっと書いてしまったけど、
僕自身はあんまり帰ることもありません。
さて、ちょっと予定がのびて木曜日まで東京です。
4月は特別なことがなければ東京にいる予定です。
ご見学を本当に長い間御持ち頂いている方々は4月にようやくお会い出来そうです。
今年も桜が楽しみです。