2015年8月8日土曜日

夏のアトリエも、残すところあと1日。

まだまだ暑い。
でも今日は少し風もあってずいぶん助けられた。

フラボア中目黒店での小さな展示が本日より始まっております。
東京アトリエは夏の制作期間中で僕もまだ展示を見ていません。
早くお伺いしたいと思っています。
今回の企画を進めて下さったデザイナーの佐々木春樹さんは、
本当に真摯な方で作品へ向ける眼差しや、
アトリエの活動への共感は、確かで強い方だと、
これまでお仕事をご一緒しながら感じて来ました。
とても信頼している方です。
深い部分で響き合える方でもあります。
今回、額は簡易なものを使っているので、
若干反射したりとか、作品を鑑賞するのにベストとは言えませんが、
これまでの展示とはまた違った視点で、新しい作品をご覧頂けるかと思います。

画面全体を一色の濃淡だけで表現されている作品や、
他の数枚のちょっと渋めの作品はこれまで外へ出ていないものです。
こういう作品を選ぶあたりがさすがは佐々木さんと思いますが、
ここで僕の個人的な感想は控えた方が良いでしょう。
お時間のある方は是非、原画をご覧下さい。

さっき、少しだけ雨が降った。
静かな、とても静かな夜。
蝉の声が聴こえ始めたのは最近で、これだけはちょっと遅かったかな。
こんなに暑い時に、と思う部分もあったが、
夏の制作を今年もすることにして良かったと思っている。
いつの間にか、明日が最終日となってしまった。
まだ夏は続いて行くのだけど、僕にとってはこの制作期間が夏の中心だった。
連日、とてもとても良い時間だったばかりでなく、
普段の制作時間に出来なかったことが出来たり、
普段見られなかった作品が生まれたりと、日々新たな現場があった。
みんなの存在がやっぱり素晴らしいなあ、と思える時間が流れた。
嬉しいこともいっぱいあった。
勿論、気になっている人もいるし、ちょっと今後が心配な人も居る。
ずっとそこと向き合い続けている人、良くなったりまた辛くなったり、
行き来している人も居る。
でも、こうして場の中でみんなに役割があって、
みんなが認め合える、そして一人一人が輝くという場面。
響き合えることの素晴らしさ、楽しさを実感する。
この世の中でこの場所だけが、という作家も居る。
僕だってそうなのかもしれない。
だからこそ、ここで内面的な意味でだけど、取り戻せること、
人生の逆転ができることが嬉しい。

せっかく生まれて来たのだから、深い実感の中で、良かった素晴らしかった、
と肯定したいし、一緒に居られる人達を深く愛したいと思う。
それが出来るということを僕達はここで学んで来た。

夏の制作。とてもとても素晴らしかった。
まだ明日、1日ある。
この夏を精一杯生きて行こう。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。