2015年5月3日日曜日

土、日曜日のアトリエ

今日も暑くなりそうですね。

春はもう行ってしまった。

昨日の場は素晴らしかった。
みんながみんなに答えてくれた。

響き合う、これが場の全て。

ゴールデンウイークで外は何やら騒がしかったりするけれど。
こういう時期のアトリエは良い時が多い。
制作の時間は、騒ぎ回っていたとしても、内面の静けさが引き出されて来る。

青空や海や、そしてもう少し薄い水色。
今は青が奇麗。

午前のクラスでは本当に作家全員が一人で描いているみたいで、
作品を並べても見事に統一されている。
それでいて一人一人の個性はしっかり出ている。

午後は強くなる陽射しとともに、グングン、本当に天国のような。

絵具を作っている時に何気なく、
タチアナニコライエワのザルツブルグでの演奏をかけていた。
こんなに良かったっけ。
最初から最後まで心のこもった音楽だった。
当たり前かも知れないが、人間が演奏しているということを実感させてくれる。
今は人間を感じさせる音楽が少ないからだろう。
最後のところでベートーベンのソナタ32番を弾いている。
これが途轍もなく素晴らしい。
もともと好きな曲ではあるけれど、ニコライエワは良い。
2楽章、アリエッタ、深く慈しむ眼差し。
自然に涙を誘う。でも、その先がある。
遠くの方からこの世のものとは思えない光が差して来る。
これだ。ベートーベンはやっぱり凄いと思うし、
ニコライエワの誠実さと一音一音を大切にするあたたかさに感動する。

こんな場面が見えて来なければならない。
こういう景色を見なければならない。

緑の葉っぱに日が射している。
緑と言う色を持っているのに、それはどこまでも透明。

生きて動いていて、そして透き通るような場でなければ。

さて、今日も楽しみましょう。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。