2014年12月16日火曜日

帰って来ました。

久しぶりのブログ更新です。
皆様もお忙しい時期かと存じます。

一ヶ月も東京のアトリエを留守にしていたので、
その間に色んなことがあったし、書くこともいっぱいある。

なるべく短く書きます。

三重での充実した日々。
広い海や、これからの気まぐれ商店のこと。
少しづつ動きだし、形になってきている。

アースデーというイベントでダウン症の人達のこと、
作品の力や文化についてお話しさせて頂いた。
続きのような形でカフェのブーゲンビリアでもお話した。
内容はまた改めてこのページにでも書こうと思います。

三重では日が射して明るい日が多くて、ずっと光に包まれている感じだった。

お正月に帰ることが出来ないので、金沢の実家にもよって来た。
三重から金沢へ向かうと光から陰へ、表から裏へ行くようだった。

金沢は相変わらずで、どんよりと曇っていて、雨か雪が続く。
見上げる空はいつでも霞んでいる。
冬でも湿度が高いので乾燥とは無縁だ。
雪を見ながら思った。
北陸はずっと嫌いだったけれど、この厳しさが僕達を強くしたのだと。

金沢ではいつでも居場所がなくて、行くところも最近はほとんどない。
かつてあったものも無くなっている。
唯一尊敬出来る珈琲屋があって、久しぶりにマスターと会えて嬉しかった。
たった一杯の珈琲がこんなに多くを与えてくれる。

帰りはバスだったので新潟の雪景色をずっと見ていた。
金沢より更に更に積もる雪。
ただただ真っ白な景色。
全てが洗い流されて行く。
そこへ生きる人達の素朴さや忍耐強さを思う。
そしてやっぱり美しいと思う。

厳しさと豊かさは同時にあるのかも知れない。

アトリエへ帰って来て、この一ヶ月で産まれた作品を見た。
少し安心した。基本は大丈夫だろう。
イサには勿論もっともっと上を目指してもらうけど。

プレのみんなは元気で本当にあたたかく繋がっている。
明日はハルコの誕生日だけど、
イサがテル君も居るから今日お祝いしたいと言って来た。
それで豪徳寺まで歩いてケーキ屋さんでシュークリームを買って来た。
みんなでハッピーバースデーを歌った。

これからの僕は現場においてはサポート役に回るだろう。
一番先頭から見える景色は特別なものだ。
責任は大きいけれど与えられるものは計り知れない。
そこに立てる人間はたった一人だ。
だから僕はいつまでもそこにはいたくない。
次の人の場所が無くなるから。
行けるところまでは行ったし、見るべきものは見て来た。
ここから先に出来ることは、正確な場を守ることと、次に繋ぐことだ。

さて、明日は女子美術大学で特別講義という形でお話させて頂きます。
若い人達に伝えて行くことも繋げる大切な仕事だと思っている。


書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。