今日も色々と打ち合わせがある。
ここでも書くべきことはたくさんあるのだけど、
今日は何よりも優先してこのテーマで書く。
良い意志を持ってここに来てくれる人、
真っすぐに何かを求めてこのささやかな場までたどりついた人。
純粋な志を持った人達と出会うことが多い。
そんな将来有望な人達が、途中で挫折したり失望したりすることがないように、
出来ることなら応援していきたい。
人はどこまでも強くなる可能性を秘めているけれど、
脆く弱い存在でもある。
1人の人間の可能性は計り知れないが、
1人の人間では乗り切れない場面がたくさんある。
手を取り合って協力していくことが必要だ。
せっかく良い意志を持って歩み始めた人が、志なかばで諦めてしまわないように。
孤独を感じていまわないように。
良い意志はどこかで繋がっている事を忘れないで欲しい。
いつかはつうじることを忘れないで欲しい。
人に左右されず、古い習慣に足を引っ張られず、
自信を持って突き進んでいくこと。
批判や非難や無理解や、人の噂や誤解に、気をとらわれないこと。
そして、正しいことをおこなおうという人達に必要なサポートをしていこう。
少なくともその意志が強固なものになるまでは、
強い協力者や理解者が必要だ。
そういう人達を応援する気持ちを忘れてはならない。
一方で真剣に作り上げて来た場を、覗き半分で見に来る人達もいる。
悪い気持ちが場を汚すので、入れないことも多いが、
分かった上で見せる時もある。
そんな気持ちで見て真似しても、何も出来ないことはめにみえている。
外から情報を集めて考えだけ真似しようとする人達もいる。
こういう人達は結局のところ、やってみるしかないのだと思う。
やってみれば、分かるだろう。長く続けてみれば分かるだろう。
何かやっているように見せかけようとしても、いつかは分かる。
人はそんなに愚かではない。例え騙せたとしても、自分が楽しくはなれないだろう。
だから、こんな人達はほっておいていい。
言うまでもないことだが、現場は真似出来ない。
嘘だと思ったら試してみればいい。
それから、こんな人達に騙されることがないようにご注意いただきたい。
人のこころを相手にするのだから、責任はしっかり持つことだ。
間違ったものが普及することは人の魂を傷つける。
前にも書いたが、本当に真摯に学びたいと思う人には、
全部教えていいと思っている。
あるとき、こんなことがあった。
ワークショップの時に知り合った保護者の方と話していると、
子供が小さな頃はとても良い絵を描いたのだけど、
学校へ入って絵を教えられてから、まるで描かなくなってしまった、
という。作業所へ入ってからも絵の時間に描くことはなかった。
そんなある日、その作業所へ絵の指導に新しい人が入ったという。
その人がきてから、彼は再び絵を描くようになった。
その人と出会えて本当に良かったというお話だった。
それくらい、人は大切だ。
そして、続きだけどその指導者は僕達のアトリエにずっと前、
訪ねて来た人だった。
絵の指導をする事になったのだけど、
作業所の方針とズレがある、描く人達にとってどうしてあげるのが適切なのか、
というような相談を受けた。
やさしくとても良い人に見えたが、自信がなさそうだった。
アトリエを見せて、作家たちが活き活きと制作する姿から感じとってもらった。
色々とお話もした。
もし、あのとき彼の見学を断っていたら、と考える。
良い人間がいても、その人を応援する人がいなければ次に繋がらない。
種があっても、誰かが水をあげなければ実らない。
私達の社会はみんなで協力して水をあげることをしていない。
そとにいる子供達をたくさんの大人の目で育てるという、
当り前のことをしていない。
長い目で見ると、将来そのつけが回ってくる。
今すぐに役にたたないことでも、10年、20年後、
何かになることはいっぱいあるはずだ。
良い志を持った人達は決して諦めてはならない。
今、自分のしていることが理解されなくても、いつか伝わるはずだ。
時間はかかるし、時間はかけるべきだ。
続けること。ブレないこと。
あきらめないでほしい。
仲間はたくさんいる。そしてこれからも増え続けるだろう。