2014年8月31日日曜日

8月31日

昨日の夜、東京に帰って来ました。
展覧会の会期中にお休みを頂くなんて初めてでした。
しばらく空けていたので、なるべく会場に顔を出したいと思います。

昨日の夜に掃除をして、
今日は午前にアトリエも応援してくれている知り合いの個展に行って、
そのまま上野へ。
一日会場にいました。

会場は本当に真剣な雰囲気でした。
みなさんが集中して作品を鑑賞している姿に感動しました。
一般の方々の方が本気で作品に向き合うな、と思いました。
今では僕自身、あんな風に純粋に見る事は出来ないだろうな、とも思います。

鑑賞の妨げにならないように、ひっそりと佇んでいましたが、
それでも多くの方とお話する事になりました。
今日一日で出会った方々だけでも沢山います。

ゆっくりと作品と対話して頂ければ、それ以上のものはないのですが、
真摯な興味を示して下さる方々が、お話したかったですと、
仰ってくださるので、その想いにはお答えしたいです。

時代も変わり、多くの方々の興味の対象も変わり、
今ではかつてない程、作品の芯に触れて下さる方が増えています。

こんな時だからこそ本当のものを残して行きたい。
作家達の本質を伝えて行きたい。

さて、書く事が沢山あり過ぎるので、また落ち着いた時にとっておきます。

夏の終わりが早そうですね。
もう、気配は秋です。

悠太に触れながら眠れないのがさみしい。

三重でキクちゃんが、今吹いてる風が切ないと言っていたけど、
本当にそうだ。
この蝉の声もいつまで聴けるだろうか。

どん底のような闇も、輝かしい日々も、どんな物事も過ぎ去って行く。
過ぎ去ったものは2度と戻っては来ない。
すべては消えて行く。

僕が最も孤独だった頃。10代で滋賀県の工場地帯で働いていた。
これから何だってする事は出来るけれど、この時間だけは取り戻せない、
と感じていた。
多分、青春のような時期のことを考えていた。
その時期をたった一人で過ごさなければならないやるせなさ。
最も感じる時、考える時、日々が輝く時間に、真昼のような真夏のような時に。
かつての仲間達は遠い所で、その時間をみんなと共有していた。
それまでの子供時代を考えると、これからは自由があった。
何だって手に入れる事が出来た。
でも一番大切なこの時だけはもう2度と手にする事は出来ないだろう。

そんな日々が過ぎて行った。それすらが終わってしまった。
終わってしまって、今振り返ると、
実はその時間こそが僕にとってのかけがえのない青春だったと気づかされる。

もうすぐ夏が終わる。

書いている人

アトリエ・エレマン・プレザン東京を佐藤よし子と 夫婦で運営。 多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。